Le couperet est tombé 「ギロチンの刃が落ちた」 

Bonjour à tous, c’est Shiorine.

昨日の「ギロチンの刃が落ちた」のフランス語を私なりに解説してみたいと思います。

フランス語の原文は« le couperet est tombé »。

辞書を見ると確かにle couperetの意味として「骨切り包丁、ギロチンの刃」と書いてあるので、直訳すると確かに「ギロチンの刃が落ちた」とはなります。

でも、一番目の意味は骨切り包丁だし(これでも十分怖いですけど)、友人マティアスはle couperetと聞くと肉屋の大きな包丁をイメージするようです。

他のフランス人にも「ギロチンの刃が落ちた」はフランス語でどういう意味なのか聞いてみたら、それって« le couperet est tombé »のことを言ってるのかな?と確認されました。

なので、翻訳する人も直訳するなら「刃が落ちた」とすれば良かったんですよね。
まあ、ギロチンにはかっこが付いていましたけど・・・

そしてさらに、今回のことで、ギロチンを表すフランス語がle couperetとla guillotineの2つの単語があるんだと私も最初勘違いをしていましたが、良く良く考えると、le couperetは「刃物」の部分だけのことを指していて、ギロチン(断頭台)はla guillotineってことになりますね。

そしてまたさらに、ふと思い出したのですが、フランスではla guillotineと言う単語は、サラミのような乾燥ソーセージをカットする道具にも、実は使われているんです。

3年前にフランスに行ったときに、キッチン雑貨のお店でこれを見つけて、la guillotineの言葉にびっくりして写真に収めていたんでした。

この写真がお披露目される日がやっと来ました。

«La guillotine à saucisson»と箱にも書いてあります。

良く見ると英語で«The French Guillotine»と言う文字も。

乾燥ソーセージって結構固いので包丁で切るのはちょっと大変なんですよね。
アペリティフにソーセージを良く食べる、フランスならではの道具です。

辞書を見ると«fenêtre à guillotine» 「上げ下げする窓」と言う意味もありました。

フランスでは、必ずしもギロチン=断頭台ではないということが、これではっきりお分かりいただけたと思います。

正しい翻訳って本当に難しいですね。

À bientôt
Shiorine

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「ギロチンの刃が落ちた」の本当の意味はこういうこと

Bonjour à tous, c’est Shiorine.

東京オリンピックが無観客になったことを受けて、フランスのメディアが「ギロチンの刃が落ちた」と伝えたことが、日本に大きな誤解を与えているようです。

残虐だとか、皮肉だとか、

カズレーザーはテレビで「日本にギロチンなんかないし、言わせておけばいいんじゃないですか。」と言っているとか・・・

確かにギロチンなんて、日本人はこの言葉を聞いただけでドキッとしますよね。

私もフランス語の綴字のレッスンで、guiを教える時あえてフランスっぽい単語を使って、ギロチンguillotineをテキストに入れているのですが、生徒さんは必ずギョッとした顔をします。

生徒さん達の反応からも、日本人はギロチンと言う言葉を聞くと、フランス革命の処刑台をイメージしてしまい、フランス人に嫌味を言われている気になってしまうのも当然だと思います。

私だって、この報道をまだ知らなかった時に、生徒さんから突然、フランスで「ギロチンの刃が落ちる」ってどういう意味があるんですか?今Twitterで話題になってますよと教えてもらって、やっぱりマイナスイメージが浮かびました。

そして、ネットでこの言葉を検索してみても何も手がかりがなかったので、日本語の話せるフランス人の友達マティアスに尋ねてみました。

そして分かったのが、この言葉には

「もう変えることの出来ない決断が下ってしまった、人々が危惧していたことの全てが決断された」

などの意味があって、フランスでは普通に使われる表現らしいのです。

もちろん皮肉や嫌味などは一切含まれていないし、この言葉を使ったからと言って、誰も処刑台を想像したりしないそうです。

マティアスに、日本人はこの言葉に嫌な思いをしていると伝えると、「日本人がどうして気分を害すのか全く理由がわからない」言っていました。

やはり、日本とフランスの間にとんでもない誤解が生じています。
みんな!フランスには全く悪気はないので勘違いしないで!と大きな声で訴えたいです。

フランスでは誰でも「腹切・ハラキリ」と言う日本語を知っているくらい、切腹はフランス人にとって強烈なイメージがあります。
非常に大きな責任をとって欲しい時に「これはもう切腹してもらうしかないね」なんて表現をフランス人に使ったら、フランス人は相当な恐怖を感じるかもしれません。

こういう文化の違いだと思います。

先日のフランス人サッカー選手グリーズマンとデンベレの差別発言事件もあるし、このままではフランスのことを嫌いになる日本人が増えてしまうのではないかとても心配です。

あの件にしろ、「醜い顔」といった誤訳も日本人に多いに悪印象を与えてしまっているので・・・

メディアには、その国の背景なども含めて、きちんとした訳をして欲しいですね。
人々の注目を集めたいがために、過激な言葉を使って、フランスを悪者にしてしまうなんて、本当にやめて欲しいです!

ちなみに、再度共同通信の記事を見ると「(ギロチン)の刃が落ちた」と括弧書きしてありました。
なんかずるい書き方。

次回はフランス語を勉強している方のために、この言葉のフランス語を解説してみたいと思います。

À bientôt
Shiorine

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